「糖尿病遺伝子」を発見、早期診断に道…理研などのチーム
糖尿病の発症に大きく関係する遺伝子を、理化学研究所と国立国際医療センターの研究チームが、それぞれ日本人患者の調査から突き止めた。糖尿病になりやすい人の早期診断に道を開く成果だ。
二つの論文は18日、米科学誌「ネイチャー・ジェネティクス」(電子版)に同時掲載される。
同時期にそれぞれが遺伝子を突き止めたというのは発明発見の世界でよく起こることですが、仲良く学術誌に掲載されるということで研究者はホッとしたでしょうね。
発見された遺伝子は「KCNQ1」。「2型糖尿病」の発症に関わっているらしいです。。
それぞれ計約9000人規模で比較調査。患者群のKCNQ1遺伝子の配列にわずかな違い(一塩基多型)があることを突き止めた。この遺伝子配列の違いがあると、発病の危険度は最大で約2倍(理研)~約1・4倍(同センター)高まるとの結果が出た。
この遺伝子を調べることによって、危険性を若いうちに知らせることはできるかもしれませんね。予防に役立ちそうです。
でもたいてい二型の人は、家系に糖尿病の人がいるわけで、それでも発症してしまうというのは、もっと啓蒙活動が必要なのかもしれません。
国としても発症した人の医療費を負担するよりも、発症を未然に防いぐキャンペーンにお金をかけた方が効果的ですし、いまのように胴囲や体重だけでメタボリック症候群予備軍というレッテルを貼るよりも個別に危険度を知らされた方が、よほど効果的なように思われます。
もちろんプライバシーの問題には十分な配慮が必要ですね。
同じニュースを朝日新聞は
asahi.com(朝日新聞社):糖尿病患者、遺伝子に特徴 国内2チーム、別々に発見 - サイエンス
>今回の結果から、この遺伝子は高血糖をやわらげるインスリンの分泌にかかわっていると考えられる。東アジアや北欧の糖尿病患者でも同様のSNP(blackcoffee注:遺伝子のわずかな違いのこと)がみつかった。
>理研の前田士郎チームリーダーは「糖尿病のリスク診断が、間もなく可能になる」という。国際医療センター代謝疾患研究部の安田和基部長は両チームの発表が重なったことに「驚いているが、独立した研究で同じ結果が出たことは非常に心強い」と話した。
同じく毎日新聞は
2型糖尿病:遺伝子を特定 国内2チーム発表 - 毎日jp(毎日新聞)
>心拍や腸管の水吸収などに不可欠な「KCNQ1」という遺伝子の変異が、2型糖尿病の発症に深くかかわっていることを発見した。研究チームによると、この遺伝子変異は、血糖値を調節するインスリンの分泌低下を招くとみられる。
とKCNQ1についてさらに詳しく書いてあります。
共同通信では
糖尿病体質示す遺伝子特定 日本の2グループ同時発表
>特定した遺伝子は「KCNQ1」。従来、心臓の筋肉の動きに重要であることが知られていた。この遺伝子の塩基配列にわずかな違いがあると、2型糖尿病を発症する危険性が1・3-1・4倍に高まるという。
KCNQ1が心臓の筋肉に関係する重要な遺伝子として知られていたことを伝えています。
その他の記事については続きで
糖尿病解明へ関連遺伝子発見 -医療介護CBニュース-
>理研のゲノム医科学研究センターの内分泌代謝疾患研究チームは、1561人の糖尿病患者と2824人の一般対象者の試料を用いて、06年から約27万か所の「一塩基多型(SNP)」を解析。その結果、糖尿病との関連が有力な9か所のSNPなどを発見した。これらのSNPについて、滋賀医大など15施設から提供された「2型糖尿病」患者3588人と一般対象者1352人の試料で検証したところ、「KCNQ1」という遺伝子のSNP(rs2283228)が、「2型糖尿病」の発症と強く関連していることが分かった。
>研究チームは、「KCNQ1」遺伝子について、さらに詳しく調べた結果、SNP(rs2283228)よりも、さらに「2型糖尿病」の発症と強い相関を示す6か所のSNP(rs2283227)があることを発見。この結果について、シンガポールの国立シンガポール大、デンマークのステノ糖尿病センターと共同研究したところ、「KCNQ1」遺伝子が、日本人だけでなく、両国の患者にも強く関係していることが分かったという。
専門誌になるとさらに詳しいですね。
理研のプレスリリースも見つかりました。詳しいです。記者たちはこの記事をもとにして書いているわけですね。
理化学研究所、日本人の2型糖尿病発症の2割に強く関与する遺伝子を発見
最後の部分にはかなり突っ込んだ記述がみられます。
>欧米人の糖尿病の場合は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」が主な原因とされている一方、東アジア人の糖尿病の場合は、インスリンそのものの分泌が悪くなる「インスリン分泌低下」が主な原因と考えられています。基礎検討の段階ですが、今回発見したKCNQ1遺伝子は、このインスリンの分泌にかかわっていることが強く示唆されているため、この遺伝子は新しい糖尿病治療薬の標的になり得ると考えられます。
>また、今回の成果と、今までに欧米人で発見された関連遺伝子を組み合わせることで、糖尿病になりやすいハイリスクの人を診断することが可能となります。積極的な予防対策をハイリスクの人のみに講じることで、より効率的な糖尿病予防が可能になると考えられます。
この記事へのコメント